特集 こんなときどうする?他科とのコミュニケーションガイド
(第16章)東洋医学科 産婦人科医が知っておくべき漢方診療
森 瑛子
1
,
小田口 浩
1北里大学東洋医学総合研究所 漢方診療部
キーワード:
漢方薬
,
生殖器疾患-女性
,
加味逍遙散
,
桂枝茯苓丸
,
香蘇散
,
紫雲膏
,
桃核承気湯
,
当帰芍薬散
,
八味地黄丸
,
証
Keyword:
Drugs, Chinese Herbal
,
Genital Diseases, Female
,
Hachimijiogan
,
Keishibukuryogan
,
Shiunko
,
Koso-san
,
Kamisyoyo San
,
Toki-shakuyaku-san
pp.514-518
発行日 2022年3月25日
Published Date 2022/3/25
DOI https://doi.org/10.34433/J00525.2022140505
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<産婦人科医におさえてほしいポイント>漢方は日本で育まれた伝統医療であり、医学部で多くの時間を割いて教わる西洋医学とは異なる基礎理論ゆえ、一見難解である。しかし日本では医師免許ひとつで漢方薬も処方することができるため、漢方を使いこなすことができればより満足度の高い医療を提供できるというメリットがある。ときに漢方薬は西洋薬と比べると効果が緩徐であり、服薬のアドヒアランスが悪いこともしばしば経験する。そのため、漢方薬を希望するかを確認したら、すべての症状がすぐに改善する訳ではないことを説明したうえで、まずは処方し服用してもらう。苦みの強い漢方薬などを処方する際はあらかじめ伝えておくことも有用である。そして、毎回訴えを傾聴し四診により「証」の変化を観察し、信頼関係を築いていくとアドヒアランスがよくなる。産婦人科領域では、妊娠中あるいはホルモン治療禁忌の更年期障害の症例など、日々の診療で困ったときの一手としても漢方薬を知っておくと非常に役立つ。
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