特集 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)―闘いの最前線を知る
◉新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する抗ウイルス薬―臨床試験の現状を知る
②その他の抗ウイルス薬
-―海外での開発動向を含めて
立川 夏夫
1
1横浜市立市民病院 感染症内科 科長・部長
キーワード:
ヒドロキシクロロキン(HQC)
,
アジスロマイシン(AZM)
,
レムデシビル
Keyword:
ヒドロキシクロロキン(HQC)
,
アジスロマイシン(AZM)
,
レムデシビル
pp.167-175
発行日 2020年9月10日
Published Date 2020/9/10
DOI https://doi.org/10.34426/kk.0000000136
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Summary
抗SARS-CoV-2薬の中で有効性が多数症例で評価されている薬剤にヒドロキシクロロキン(HCQ)とレムデシビルがある。HCQの臨床効果を大規模で評価したRECOVERY試験では28日目の死亡率はHCQ群では25.7%であり対照群では23.5%と有効性は認められなかった。レムデシビルは核酸類似体であり広くRANウイルスの複製を阻害すると考えられている。ACTT-1試験では「回復までの時間の中央値」がレムデシビル群11日・プラセボ群15日で統計的有意差が認められ,初めて明確に抗ウイルス効果が認められた薬剤であった。しかし重症例での有効性はまだ不明確である。
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