FORUM 病院建築への誘い――医療者と病院建築のかかわりを考える
特別編―建築からみる周産期母子医療施設
亀谷 佳保里
1
1きららデンタルクリニック歯科医師,博士(工学)
pp.267-270
発行日 2025年4月19日
Published Date 2025/4/19
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293030267
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周産期母子医療施設にみられる建築的評価
医療福祉建築の質の向上を目指す一般社団法人日本医療福祉建築協会*1が設置している医療福祉建築賞*2を,2023年は東京かつしか赤十字母子医療センター(以下,かつしか赤十字)が受賞した.1993年に創設された医療福祉建築賞は,この32年間に171の施設が受賞しているが,周産期母子医療施設の受賞は今回のかつしか赤十字を含め5施設ある.2003年に国立研究開発法人国立成育医療研究センター(Vol.269 No.4),2005年に宮城県立こども病院,2018年に福岡市立こども病院,2019年に兵庫県立こども病院が受賞した.2024年6月現在,厚生労働省が指定している周産期母子医療センターは276施設ある1)が,多くは大規模病院に属しており,単独の建物として機能しているのは12施設(表1)で,その約半数が受賞していることになる.

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