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第5土曜特集 細胞外小胞・エクソソームの医療応用の未来
[特別巻頭言]新しい創薬研究としてのエクソソーム
Exosomes as a new drug discovery platform
落谷 孝広
1
Takahiro OCHIYA
1
1東京医科大学医学総合研究所未来医療研究センター分子細胞治療研究部門
pp.642-642
発行日 2024年11月30日
Published Date 2024/11/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291090642
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細胞外小胞という存在は,おそらく地球上のすべての動植物から細菌,ウイルスにまで普遍的に存在する物流システムとして捉えると合点がいく.なぜなら細胞外小胞は,細胞内の老廃物を細胞外に排泄する際にも,また細胞間の情報伝達としても利用されているからである.われわれが通称,エクソソームとよんでいる直径100nm前後の小胞は,さまざまな情報伝達物質をその脂質二重膜の表面,あるいは内包物として,細胞間や組織,臓器間を体内で運搬している.おそらくこうしたエクソソームの生理的な作用は,老廃物除去に加えて,生体の恒常性維持におけるさまざまなエネルギー代謝系の調節,神経系やホルモンのバランス,そして腸内や口腔内などの細菌叢などのバランスにも関係している.
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