臨床経験
COVID-19肺炎後呼吸機能障害患者に対し、包括的リハビリテーション治療が有効であった一症例
武原 格
1
,
酒井 貴哉
,
安保 雅博
1東京都リハビリテーション病院 リハビリテーション科
キーワード:
記憶障害
,
呼吸困難
,
包括医療
,
回復期病院
,
呼吸理学療法
,
廃用症候群
,
COVID-19
,
リハビリテーション病院
,
COVID-19後遺症
Keyword:
Dyspnea
,
Comprehensive Health Care
,
Hospitals, Rehabilitation
,
Hospitals, Convalescent
,
Memory Disorders
,
Post-Acute COVID-19 Syndrome
,
COVID-19
pp.279-282
発行日 2022年3月15日
Published Date 2022/3/15
DOI https://doi.org/10.32118/J02606.2022150083
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症例は50歳代男性で、発熱と呼吸苦を生じたため近医救急搬送され、PCR検査にてCOVID-19と診断され入院となった。中等症IIの状態であったためファビピラビル、ステロイド療法、酸素投与等が行われ症状は改善した。しかし、歩行時の呼吸困難が持続したため、リハビリテーション医療目的に当院転入院となった。理学療法、作業療法、言語聴覚療法を開始し、胸郭可動域訓練、腹式呼吸指導、有酸素運動等に加え、自主訓練として容積式吸気訓練器を施行した。高次脳機能検査ではTrail Making Testで注意障害は認めないものの、標準言語性対連合学習検査にて境界程度の軽度記銘力障害を認めたため記銘力の改善を図った。呼吸機能は改善し、45分間の屋外歩行訓練でも経皮酸素飽和度は95%を維持、退院時の胸部CTは入院時の所見と比較し、すりガラス影の範囲の縮小および濃度の低下を認めた。65日間の入院リハビリテーション医療を施行し自宅退院となった。
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