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皮膚の抗菌ペプチド 乾癬病態との関連
山崎 研志
1
1東北大学 大学院医学系研究科神経・感覚器病態学皮膚科学
キーワード:
乾癬
,
抗菌性カチオンペプチド
,
形質細胞様樹状細胞
Keyword:
Psoriasis
,
Antimicrobial Cationic Peptides
pp.298-303
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014237160
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皮膚,とくに表皮は常に微生物の接触や外界の環境変化に曝露されている.それらの攻撃や刺激から生体内を保護するために,表皮角化細胞は自然免疫から獲得免疫への橋渡しをしながら,いくつかの戦略で感染や炎症反応に対応している.抗菌ペプチドは,自然免疫機構の中でも初期段階に作用する分子群の1つである.抗菌ペプチド研究の初期は,その抗菌作用によっていかに外来微生物を排除しうるかを分子生物学的に解明することが,科学的興味の中心であった.最近の研究では宿主細胞に対する抗菌ペプチドの多様な作用が次々と明らかになり,抗菌ペプチドは広く免疫応答を喚起させうる分子“alarmin”としての認識が高まってきた.本トピックスでは抗菌ペプチドの“alarmin”としての作用を中心に解説しながら,とくに注目されている乾癬病態における抗菌ペプチドの作用について紹介する.(「はじめに」より)
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