特集 ワクチンup to date
各論
新型コロナウイルスワクチン 予防メカニズム 不活化ワクチン
中山 哲夫
1
NAKAYAMA Tetsuo
1
1北里大学大村智記念研究所ウイルス感染制御
pp.1501-1504
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001109
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はじめに
2019年末に中国の武漢からWHO(世界保健機関)に報告された原因不明の感染症は,その形態学的特徴からコロナウイルスが疑われ,10日後には全塩基配列が公開されてSARS-CoV-2と命名された。世界中に感染が拡大するなかで欧米では「感染症はワクチンで予防する」といった基本的な考え方でワクチン開発が急がれた。塩基配列情報が公開されてから数万人レベルの臨床試験の結果,1年を経ずにmRNAワクチンやウイルスベクターワクチンが2020年末に欧米で認可された。こうした核酸ベースのワクチン以外にも従来の製造法による精製蛋白ワクチンに加えて全粒子不活化ワクチンも世界中で開発されており,その概要を表にまとめた1)。
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