特集 周産期の薬物療法 update 2025 新生児編
各論:呼吸器治療薬
無呼吸治療薬
木原 裕貴
1
KIHARA Hirotaka
1
1広島市立広島市民病院総合周産期母子医療センター
pp.1076-1078
発行日 2025年9月10日
Published Date 2025/9/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002285
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新生児無呼吸発作について
新生児無呼吸発作は,一般に20秒以上の呼吸停止,またはそれ未満でも徐脈や低酸素血症を伴うものと定義される。発作の原因は,未熟性に起因する「原発性」と,感染・循環不全・代謝異常・薬物など基礎疾患が関与する「続発性」に分類される。さらに,気道狭窄などによる閉塞性や,これらが混在する混合性も存在する。特に在胎28週未満の早産児では,ほぼ全例で無呼吸発作が発生すると報告されており1),NICUにおける重点管理項目の一つとなっている。発作は低酸素血症や脳虚血を引き起こし,長期的な神経学的後遺症のリスクとも関連するため,早期からの適切な介入が求められる。

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