特集 ローリスク妊婦ローリスク新生児のケア2025
分娩時の母体と新生児のケア:新生児
ローリスク新生児からの逸脱の判断
大野 秀子
1
OHNO Hideko
1
1武蔵野赤十字病院新生児内科
pp.100-104
発行日 2025年1月10日
Published Date 2025/1/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002001
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はじめに
いわゆるハイリスク新生児の対義語としてローリスク新生児があるわけだが,日常診療ではその線引きは実に難しい。先人たちの努力で既知となった母体疾患や妊娠・分娩に起因するハイリスク因子(表1,表2)1)などは注意すべき項目として重要であることはいうまでもいないが,リスク因子を有するというだけで全員を入院させて検査・管理しろ,という意味ではない。そのようなことをすれば過剰医療になるだけでなく出生早期の母子の関係性を築くための大切な時間を奪う結果にもなりかねない。また,出生直後は症状がなくても,その後時間を経て出現する所見により診断が可能となる疾患は多く,ローリスク新生児のなかから治療・管理が必要な児を見逃さないようにすることは時に難しく,判断に迷うことがある。
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