連載 診療つれづれ
医療的ケア児との歩み
植田 穣
1
Yutaka Ueda
1
1おかだこどもの森クリニック
キーワード:
医療的ケア児
,
気管切開
,
ささえ フランジ固定板
Keyword:
医療的ケア児
,
気管切開
,
ささえ フランジ固定板
pp.711-712
発行日 2025年6月1日
Published Date 2025/6/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001637
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医療的ケア児との出会い
私は2004年に埼玉医科大学医学部を卒業し,“新医師臨床研修制度”最初の代として研修を行い,2006年に佐々木望教授率いる埼玉医科大学小児科学教室に入局した。入局後はすぐにNICUで研修を行い,その時に初めてこどもの気管切開患者さんに出会った。患児は気道狭窄による抜管困難症で気管切開を施行されていた。在宅医療への移行途中であったが,痙攣が頻回で抗痙攣薬の調整に難渋し,1年以上入院していた。当時の私は人工呼吸器管理を始めNICUでの集中管理を学ぶことに精一杯で,気管切開チューブ交換や胃チューブ交換,痙攣時の対応など以外は患児と関わることは少なかった。私が4カ月のNICU研修を終え,一般小児科研修を始めた頃,程なくしてその患児も自宅へ退院になった。
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