特集 COVID-19後の診療の工夫と心のケア
【各論】 COVID-19後の新たな診療
めまい
堤 剛
1
Takeshi Tsutsumi
1
1東京医科歯科大学耳鼻咽喉科
キーワード:
COVID-19
,
めまい
Keyword:
COVID-19
,
めまい
pp.859-861
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001187
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
2020年冬に始まったCOVID-19の世界的な感染拡大は,医療だけでなく経済・社会的に大きなインパクトを与え,多領域の急速な構造変化を強要することとなった。その症状は咽頭痛や鼻汁などの感冒様症状に始まり,熱発,呼吸苦などから重症肺炎へと進行し死に至る症例が多数発生した。一方で,ウイルス自体は中枢神経領域にも移行することから,気道感染症とは性格を異にする神経症状も多数報告されている。加えて,後遺症としての疲労・倦怠感やブレインフォグ,嗅覚・味覚障害や頭痛,脱毛や抑うつなど多彩な症状が長期に持続する症例が報告されている。さらに近年,難聴・耳鳴やめまいについての報告も相次いでいる。日常臨床においても,COVID-19の感染やワクチン接種を機にめまいの発症や増悪をきたす症例を目にすることが多い。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.