特集 実践-小児の輸液
各病態における輸液の考え方 Hypovolemic shock
金子 一成
1
1関西医科大学附属病院 小児科
キーワード:
ショック
,
心臓血管作用剤
,
等張液
,
輸液療法
,
重症度指標
,
循環血液量減少
,
気道確保
,
バイタルサイン
,
血管確保
Keyword:
Severity of Illness Index
,
Shock
,
Cardiovascular Agents
,
Isotonic Solutions
,
Hypovolemia
,
Vital Signs
,
Airway Management
pp.529-533
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2021208443
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<Key Points>(1)血圧低下はショックの必要条件ではない。ABCDEアプローチに従って代償性ショックか非代償性ショック(低血圧性ショック)かを速やかに判断する。(2)ショックは原因により、循環血液量減少性ショック、心原性ショック、血液分布異常性ショックに分類されるが、小児では重症脱水による循環血液量減少性ショックが多い。(3)重症脱水を示唆する所見は、(1)毛細血管再充満時間2秒以上、(2)全身状態の悪さ(意識レベルの低下、末梢冷感)、(3)涙の欠如、および(4)粘膜の乾燥である。(4)ショックの小児への初期対応で重要なことは、迅速に酸素投与と初期輸液を開始することである。(5)血圧が保たれていても、ショックと判断したら、速やかに生食やリンゲル液などの細胞外液型輸液製剤を20mL/kgの量で5~20分かけてボーラス投与する。
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