特集 知っておきたい小児分野の医療機器
各論 医療機器の仕組みと効果 検査機器 聴性脳幹反応検査機器(ABR:auditory brainstem response)
田中 学
1
,
浅沼 聡
,
安達 のどか
1埼玉県立小児医療センター 総合診療科
キーワード:
新生児スクリーニング
,
脳幹聴覚誘発電位
Keyword:
Neonatal Screening
,
Evoked Potentials, Auditory, Brain Stem
pp.517-521
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2020230093
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<Key Points>(1)ABRは音刺激による誘発電位で、他覚的聴力検査のほか、脳幹の病巣局在評価や脳死判定などの脳幹機能評価にも用いられる。(2)ABRの明瞭な波形を得るには、検査環境やインピーダンスチェックなどの調整を適切に行う必要がある。(3)新生児聴覚スクリーニングにはAABRの使用が推奨され、音圧35dBnHLのみの設定でpassあるいはrefer(要再検)という単純な結果表示が得られる。(4)ABRおよびAABRではそれぞれが判断可能な範囲に限界があり、反応が得られないことが必ずしも難聴を示唆するものではない。(5)ABRの潜時の正常範囲は月齢、年齢により異なるため、判断には注意が必要である。
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