特集 高血糖と低血糖-どう対応するか
低血糖の病態、診断と治療 新生児一過性低血糖症
長野 伸彦
1
1日本大学 医学部小児科学系小児科学分野
キーワード:
血糖
,
新生児疾患
,
低血糖症
,
高インスリン症-先天性
Keyword:
Blood Glucose
,
Hypoglycemia
,
Infant, Newborn, Diseases
,
Congenital Hyperinsulinism
pp.995-1000
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2019280826
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<Key Points>(1)新生児の低血糖症では、非特異的な症状がみられることが多いため注意を要する。(2)低出生体重児やSGA児や糖尿病母体児などのリスク児は、無症候であっても必ず血糖を測定することが重要である。(3)低血糖介入後一度だけの血糖値正常では、インスリン過剰による低血糖の再燃を見逃す可能性がある。(4)新生児一過性高インスリン血性低血糖症の特徴は、(1)男児、SGA、胎児機能不全に多くみられる、(2)少なくとも生後2日以上続く低血糖で、結果として低血糖は数日から3~6ヵ月持続する、(3)KATP channelの異常やGDH活性の上昇を示さない、(4)頻回の哺乳あるいはジアゾキシドの使用で軽減する、(5)外科的治療の対象にはならない、である。
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