特集 LPECの現状と課題
当科におけるLPECの術式と成績
中村 清邦
1
,
西田 翔一
,
廣谷 太一
,
安井 良僚
,
田村 亮
,
岡島 英明
1金沢医科大学 小児外科
キーワード:
鼠径ヘルニア
,
腹腔鏡法
,
治療成績
,
ヘルニア縫合術
Keyword:
Hernia, Inguinal
,
Treatment Outcome
,
Laparoscopy
,
Herniorrhaphy
pp.1018-1023
発行日 2021年10月25日
Published Date 2021/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2022028422
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当院で2002年~2020年に小児鼠径ヘルニア根治術を行った1477例を対象に、年次別腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術(LPEC)の比率を検討した。その結果、LPECは282例に行われ、LPEC施行例の割合は導入初期には1%であったが、2019年には47%、2020年には54%に上昇していた。LPECの利点としては、1)女児の卵管・卵巣血管損傷を直視下に回避でき、特に滑脱型ヘルニアでは確実な温存がはかれること、2)解剖学的理解が容易でオリエンテーションの把握がしやすく、膀胱損傷やヘルニア囊の同定に難渋することがないこと、3)対側の腹膜鞘状突起の開存が確認でき、対側発症のリスクを軽減できること等があげられた。
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