特集 そこが知りたいシリーズ:手術で必要な局所解剖(頭頸部・胸部編)
全胃吊り上げ術(long gap食道閉鎖)
柿原 知
1
,
川嶋 寛
1埼玉県立小児医療センター 小児外科
キーワード:
局所解剖学
,
食道形成術
,
食道閉鎖症
,
胃底皺襞形成術
,
小児外科
,
食道胃吻合術
Keyword:
Fundoplication
,
Esophageal Atresia
,
Esophagoplasty
,
Anatomy, Regional
pp.821-825
発行日 2019年8月25日
Published Date 2019/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2019352985
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Long gap食道閉鎖症に対する噴門形成術付加全胃吊り上げ術の術式、予後、術中の注意点などを報告した。1986~2018年までに当科で本術式を7症例(開胸・開腹症例4例、開胸・腹腔鏡症例2例、胸腔鏡・開腹症例1例)に施行した。体腔内の癒着が剥離可能な程度であり全身状態が気胸や気腹に耐えられる場合には、患児への侵襲や整容面、疼痛管理の面から内視鏡手術が推奨される。症例2~4では出生体重や合併疾患、合併症により食道再建術を実施するまでに約1年を要した。症例5、6は本術式を行う前に木村法もしくはFoker法による食道延長術が行われた。症例7はFoker法による食道延長術を行ったのち、胸腔鏡下食道-食道吻合術を施行したが、術後縫合不全、吻合部狭窄を合併したため吻合部切除、再吻合を行っている。術後5年以上経過した症例はいずれも経口摂取良好で、身長や体重は順調に増加した。
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