研究
帝王切開における術前浣腸 有益性の評価と褥婦の意識、および実施状況
皆川 万里絵
1
,
中村 友紀
,
富塚 満津枝
,
手塚 尚広
1公立置賜総合病院
キーワード:
Glycerol
,
質問紙法
,
浣腸
,
術前管理
,
帝王切開術
,
意識調査
Keyword:
Glycerol
,
Cesarean Section
,
Enema
,
Preoperative Care
pp.1162-1168
発行日 2019年8月10日
Published Date 2019/8/10
DOI https://doi.org/10.24479/J00621.2019352986
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帝王切開における術前浣腸の実施状況を調査し、その有益性について検討した。当院で選択帝王切開術を施行された褥婦92名のうち、90名を解析対象とした。浣腸群は47例、非浣腸群は43例であった。手術時間、羊水を含む術中出血量、Apgarスコア、臍帯動脈血pHにおいて両群間に有意差は認められなかった。また、術後合併症のうち発熱が非浣腸群に1例のみみられたが両群間に有意差はなく、手術部位感染と腸閉塞の発生は両群ともになかった。浣腸が施行された場合の意識について、全体では「するのが普通だと思った」が17名の36.2%、「医療者のすることだから必要があると思った」が18名の38.3%であり、浣腸の施行に肯定的な褥婦は35名の74.5%であった。浣腸が省略された場合の意識では、「しなくてよかった」の肯定的が22名の51.1%、「してもしなくてもどちらでもよかった」が7名の16.3%、「医療者にすすめられればしてもいい」が11名の25.6%で、浣腸の省略に中立的な褥婦は合わせて18名の41.9%であった。
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