特集 骨髄異形成症候群・骨髄増殖性腫瘍の病理診断
6.線維化を伴う骨髄病変の鑑別診断
定平吉都
1
,
藤原英世
2
,
西村広健
3
Yoshito Sadahira
1
,
Hideyo Fujiwara
2
1川崎医科大学 病理学1 教授
2川崎医科大学 病理学1 大学院生
3川崎医科大学 病理学1 講師
pp.67-75
発行日 2015年12月30日
Published Date 2015/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201601067
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骨髄線維化は,さまざまな非腫瘍性あるいは腫瘍性疾患に伴ってみられる反応性の病態である。原因となる疾患としては,全身性紅斑性狼瘡,副甲状腺機能亢進症,悪性リンパ腫,急性白血病,骨髄異形成症候群,骨髄増殖性腫瘍,癌の転移などがある。これら疾患の鑑別診断には,病歴・臨床所見・末梢血所見・遺伝子異常の検索とともに,骨髄生検組織による線維化や骨硬化像・巨核球の形態や分布状態・顆粒球系の成熟障害の有無・赤芽球島の形成状態の評価,また,抗CD34抗体・抗TP53抗体・遺伝子変異特異抗体を用いた免疫染色が参考になる。