特集 HLA Revisited
8.臓器移植後拒絶反応における抗HLA抗体の重要性
江川裕人
1
Hiroto Egawa
1
1東京女子医科大学 消化器外科 教授
pp.1099-1103
発行日 2013年7月30日
Published Date 2013/7/30
DOI https://doi.org/10.20837/52013081099
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臓器移植後の拒絶反応は,T細胞が主役の細胞性拒絶と,B細胞が主役の抗体関連拒絶に分類される。抗体関連拒絶の主なターゲットはHLAであり,その病理像は移植臓器の血管内皮の炎症である。腎臓,心臓,肺,膵臓においては抗体関連拒絶の重要性が認識されているが,肝臓ではいまだ定まっていない。血液中抗ドナー抗体の検出には,細胞障害検査法とフローサイトメトリー法とシングルビーズ法が用いられる。組織における抗体関連拒絶の証明にはC4d染色が用いられる。治療はB細胞/抗体に対する脱感作療法が試みられている。