連載 第18回 May-Hegglin anomaly~白血球封入体から全身性疾患へ展開~
May-Hegglin anomaly~白血球封入体から全身性疾患へ展開~
齋藤英彦
1
,
國島伸治
2
Hidehiko Saito
1
,
Shinji Kunishima
2
1国立病院機構 名古屋医療センター 名誉院長
2国立病院機構 名古屋医療センター 臨床研究センター 高度診断研究部 分子診断研究室 室長
pp.106-113
発行日 2012年12月30日
Published Date 2012/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201301106
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原典 1)May R:Leukocyteneinschlusse. Dtsch Arch Klin Med 96:1-6, 1909. 2)Hegglin R:Gleichzeitige konstitutionelle Veranderungen an Neutrophilen und Thrombocyten. Helv Med Acta 12:439-440, 1945. 要旨 May-Hegglin anomalyは1909年にドイツのRichard Mayが白血球封入体と巨大血小板のある症例を報告し(原典1),次いで1945年にスイスのRobert Hegglinがそれに加えて血小板減少と常染色体優性遺伝形式を呈することを記載した(原典2),稀な血液疾患である。近年になり原因遺伝子MYH9が同定され,類縁疾患と考えられていた疾患群を含めたMYH9異常症が提唱されている。血液学的異常の病態は解明されつつあるが,合併するAlport症状(腎炎,難聴,白内障)の病態解明と予防・治療法の確立が望まれている。MYH9異常症は単純な血液疾患では無く,複数臓器をおかす全身性疾患である。