連載 アレルギー疾患の治療薬(21)
皮膚科領域 保湿剤
塩原 哲夫
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室教授
pp.1640-1647
発行日 2015年10月15日
Published Date 2015/10/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201511148
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アレルギー性疾患の治療薬として保湿剤は補助的な位置にある,と考える皮膚科医は多い。しかし,近年,皮膚の角層水分量低下の大きな要因として発汗障害があることを示唆する報告が増加している。従来,角層水分量を増加させるだけと考えられてきた保湿剤が,実は発汗を亢進させる結果として,多くの難治性アレルギー性疾患の治癒をもたらすことも明らかになりつつある。本稿では,これまで明らかにされてこなかった保湿剤の発汗反応に及ぼす影響についても触れている。