連載 記憶に残る症例(17)
原子炉が取り持つ不思議な縁
瀧川雅浩
1
Masahiro Takigawa
1
1浜松医科大学名誉教授
pp.868-870
発行日 2015年5月15日
Published Date 2015/5/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201506094
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ホウ素中性子補足療法(BNCT)がいまふたたび脚光を浴びつつある。研修医の頃,発疹中の臭素量を定量すべく,京都大学原子炉実験所におもむいた。その時,メラノーマ治療のオプションとして,原子炉を照射機器としたBNCTの話を聞いたが,臨床の場ではとても使えないと思っていた。しかし,畏友T先生との仕事のなかで,ハンディーな慣性静電閉じ込め核融合中性子源を用いれば,クリニックでもBNCTが可能であることが明らかになってきた。メラノーマ治療に取り組んできたものとして,この仕事を今後も展開していきたいと思っている。