連載 記憶に残る症例(15)
皮膚科的診断アプローチが他科アレルギー免疫疾患診断に貢献しえた二例
宮地良樹
1
Yoshiki Miyachi
1
1滋賀県立成人病センター病院長/京都大学名誉教授
pp.598-601
発行日 2015年3月15日
Published Date 2015/3/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201504120
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
皮膚科アレルギー免疫診療の中で遭遇した記憶に残る2症例を記載した。一例目はいわゆる「術後紅皮症」を呈した食道癌術後患者の輸血後GVHDで,皮膚生検とHLA解析により手術時の新鮮血輸血に起因すると判明したが,その後,血液製剤への放射線照射の啓発によりあらたな発症が根絶された。二例目は生体組織接着剤使用による脳神経外科術後アレルギー性髄膜炎で,精緻なパッチテストの手法により原因を同定できた。いずれも皮膚科的診断アプローチが他科アレルギー免疫疾患診断に貢献しえたという意味で記憶に残る印象深い症例である。