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特集 マイクロバイオームと生体恒常性・疾患
2.無菌生物とノートバイオロジー
Germ-free life and gnotobiology
神谷 茂
1
Kamiya Shigeru
1
1杏林大学医学部感染症学 教授
キーワード:
無菌生物
,
ノートバイオロジー
,
常在細菌叢
Keyword:
無菌生物
,
ノートバイオロジー
,
常在細菌叢
pp.392-400
発行日 2018年2月25日
Published Date 2018/2/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201803392
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常在細菌叢をもたない無菌生物に既知の微生物を感染させた生物をノートバイオート(gnotobiote)と呼び,その学問体系をノートバイオロジー(Gnotobiology)と呼ぶ。1943年,米国のReyniersとTrexlerによりスチール製無菌飼育アイソレーターが作製され,ニワトリおよびラットの長期間にわたる無菌環境下での飼育および継代が可能となった。以来,ノートバイオロジーは,医学,薬学,歯学,獣医学,農学,栄養学,水産学,理学など幅広い学問領域にて学際的な研究が展開された。無菌動物の特性を評価する初期の研究から,ノートバイオートを用いた常在細菌叢の生体へのかかわりについての研究が進展した。特に,ノートバイオロジーが感染症学・免疫学・微生物生態学・臨床医学などの研究領域に応用され,多数の新知見が得られた。今後さらにオミックス解析や分子遺伝学へのノートバイオロジーの応用が期待される。