特集扉
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pp.21-21
発行日 2016年7月25日
Published Date 2016/7/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201608021
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特集 非結核性抗酸菌症の今日的問題 非結核性抗酸菌(NTM)は結核菌と同じ抗酸菌に分類されるが,人から人には感染せず,細菌学的性質は結核菌とは大きく異なる。現在,約170種類が知れられているが,人に感染症を惹起するものは約20種と言われている。 診断基準としては,2007年に米国呼吸器学会と米国感染症学会が合同で作成したガイドラインが国際基準として用いられることが多い。わが国でも2008年に診断基準が大幅に改訂され,簡素で軽装例の診断も可能になった。治療については,効果の期待できる薬剤も開発されてきたが,今のところ確実な効果を有するものはない。また,治療開始や終了時期についても定まった基準はなく,ワクチンもないのが現状である。 本特集では,今後ますます増加が予想されるNTM症について,さまざまな視点から理解を深めるために,各専門の先生方にご執筆をお願いした。 序 -なぜ今,非結核性抗酸菌感染症なのか- 1.非結核性抗酸菌症の疫学 2.非結核性抗酸菌の分類と検査法 3.非結核性抗酸菌症のホスト側要因 4.脂質免疫の新視点から見た非結核性抗酸菌感染症 5.分子疫学から見た人と非結核性抗酸菌との関わり 6.肺非結核性抗酸菌症の診断基準の変遷と問題点 7.非結核性抗酸菌症の血清診断法の意義と問題点 8.肺MAC症の治療と課題 9.肺MAC症以外のNTM症の治療法と課題 10.HIV感染と非結核性抗酸菌症 11.生物学的製剤使用例における非結核性抗酸菌症への対応