Japanese
English
新連載 薬物臨床薬理事典(1)
メトロニダゾール注射液の特性と嫌気性菌感染症に対する臨床成績
The characteristics of Metronidazole injection and the clinical efficacy and safety for anaerobic infection
湯淺晃
1
,
室高広
2
Yuasa Akira
1
,
Muro Takahiro
2
1ファイザー株式会社メディカルアフェアーズ感染症領域部
2長崎大学病院薬剤部薬品情報室 室長
pp.116-126
発行日 2015年1月25日
Published Date 2015/1/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201502116
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
メトロニダゾール(MNZ)注射液はわが国では長らく使用できない薬剤であったが,2014年に新投与経路医薬品としてアネメトロ®点滴静注液500mgが製造販売承認され,臨床での使用が可能となった。Bacteroides spp.を含む臨床分離嫌気性菌の抗菌薬に対する耐性化が懸念される中,MNZの嫌気性菌に対する抗菌活性は強く,海外で長く使われている薬剤にもかかわらず,本剤への耐性化は認められていない。海外では,本剤と好気性菌をカバーすることができる抗菌薬との併用療法の臨床報告が多数あり,各種ガイドラインで推奨されている。本剤のおもな副作用は消化器系の事象である。今後,わが国においても,本剤が嫌気性菌感染症治療の第一選択薬のひとつとして貢献することが期待される。