特集 糖尿病の最新治療と総合戦略~薬物療法を中心に~
2.ビグアナイド薬
方波見卓行
1
,
月山秀一
2
1聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院代謝・内分泌内科 部長/病院教授
2聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院代謝・内分泌内科 医長
pp.1641-1646
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201707067
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メトホルミンに代表されるビグアナイド薬は,主にインスリン抵抗性を改善することにより血糖コントロールを改善させる経口血糖降下薬である。本薬は安価,体重増加をきたしにくい,心血管イベント抑制効果などの特徴から,現在,欧米諸国の治療ガイドラインでは第一選択薬に位置付けられている。また近年,その作用機序の解明が進み,血糖降下以外の抗動脈硬化,脂質改善,抗腫瘍,心保護に関する分岐基盤も明らかとなりつつある。本稿ではメトホルミンのエビデンス,多面的作用,適正使用を最新の知見も踏まえて紹介したい。