特集 がん患者のこころを救え ~サイコオンコロジーの最前線~
7.小児がん患者・家族のこころのケア
津村明美
1
,
明智龍男
2
1静岡県立静岡がんセンター がん看護専門看護師
2名古屋市立大学大学院医学研究科 精神・認知・行動医学分野・教授
pp.2701-2703
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201612101
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小児がんは,発症頻度の稀な疾患ではあるが,わが国におけるこどもの病死原因の第1位であり,若年者において生命の脅威の原因となる最も重篤な疾患の一つである。がん治療の進歩によって,小児がんを罹患したこどもの70~ 80%は治癒が見込める状況に至っても,“がん=死”というイメージは強い。診断時のみならず,治療期間が長期に及ぶことからの心理社会的ストレスは長期にわたる。
本稿では,小児がん患者および家族が抱える精神心理的苦痛と,それに対する心理社会的支援について紹介する。