連載 リスクマネジメント~院内での薬剤師の活動~(108)
輸液栄養療法におけるさまざまな視点のリスク管理~静脈栄養輸液を“栄養素”として捉える~
鈴木慶介
1
1草加市立病院薬剤部
pp.2529-2534
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201611131
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輸液栄養療法における処方管理は,添付文書等に則り「適切な投与方法」を管理する側面と,輸液を栄養素として捉えて「適切な栄養療法」を管理する,すなわち輸液組成の適切性に関与する側面があり,性質の異なる視点が必要である。例えば,脂肪の長期欠乏による皮膚障害や脂肪肝の発生や,低栄養,特に体タンパクが減少することによるADL(activities of daily living)の低下や創傷治癒遅延,入院期間の延長や再入院率の上昇など,種々の低栄養によるリスクが報告されている。これらのリスクを回避するためには「適切な栄養療法」の視点を持つことが極めて重要となる。今回は,適切な輸液栄養療法の管理を目指した輸液組成の適切性に関与する取り組みと,その成果を報告する。