発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201511121
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近年の血液疾患に対する治療の進歩により免疫不全状態の患者は増加しており,深在性真菌感染症予防の重要性はますます高まっている。特に造血細胞移植領域においては治療が複雑化し,それに伴い患者層(宿主側要因)も多様化している。深在性真菌感染症予防のエビデンスは数多くあるが,目の前の患者にそれを適用する場合に宿主側要因を十分に考慮しなければ,有効性と毒性のバランスはとれず,結果として治療全体に影響を及ぼすことになる。また,予防薬を決定した後も,副作用,薬物間相互作用,ブレイクスルー感染など留意すべき点は多い。ガイドラインや文献を参考にして,医療者側がこれらを一つ一つ整理し理解することが,より安全で確実な予防につながると考える。