特集 糖尿病治療薬の最前線 ~臨床試験・臨床疫学的観点も含めて~
4.ビグアナイド薬とその治療成績
山本弥生
1
,
中神朋子
2
1東京女子医科大学糖尿病センター(糖尿病・代謝内科)
2東京女子医科大学糖尿病センター(糖尿病・代謝内科) 講師
pp.2361-2366
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201310073
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代表的なビグアナイド薬であるメトホルミンは,乳酸アシドーシスに対する懸念により過去に使用が控えられてきた経緯から,臨床研究を元に有効性と安全性がたびたび確認されてきた。その有効性として肝臓での糖新生抑制作用に加え,最近では動脈硬化抑制作用,発癌抑制作用,GLP-1(glucagon-like peptide-1)増加作用なども示唆されている。安全性は適正条件下の使用においてはほぼ確立されている。欧米に比べて肥満が少なく,耐糖能異常もインスリン分泌低下の占める割合が大きい本邦でも,メトホルミンは過去の臨床研究から,BMI(body mass index)に依存しない血糖低下作用が認められ,前述のごとく種々なプレオトロフィック効果が期待されるため,血糖管理の上で非常に有用な薬剤であると言える。