歯の細胞生物学
遺伝性疾患における歯の異常とその多様性
須田 直人
1
1明海大学 歯学部歯科矯正学分野
キーワード:
Beckwith-Wiedemann症候群
,
Insulin-Like Growth Factor II
,
遺伝性疾患
,
血統
,
過剰歯
,
鎖骨頭蓋異形成症
,
歯牙疾患
,
一卵性双生児
,
双生児の疾患
,
変異
,
無歯症
,
Core Binding Factor Alpha 1 Subunit
,
PAX9転写因子
,
H19 Long Non-Coding RNA
Keyword:
Anodontia
,
Beckwith-Wiedemann Syndrome
,
Cleidocranial Dysplasia
,
Diseases in Twins
,
Mutation
,
Pedigree
,
Tooth Diseases
,
Tooth, Supernumerary
,
Twins, Monozygotic
,
Genetic Diseases, Inborn
,
PAX9 Transcription Factor
,
Core Binding Factor Alpha 1 Subunit
,
H19 Long Non-coding RNA
,
Insulin-Like Growth Factor II
pp.75-80
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2016149821
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これまで多くの遺伝子改変マウスで,歯の発生に異常や障害が報告されてきた.これらの知見は,正常な歯の発生や形成にさまざまな遺伝子による制御が不可欠であることを示す.一方で,一卵性双生児間において,歯の異常が異なることも知られている.このように歯の発生や形成には,塩基配列のみならず,エピジェネティクな制御や環境要因の関与が指摘されている.また最近,日本人の歯のサイズが増大したとする調査結果が報告されている.その原因は,昨今の体格の大型化や身長の増加の結果とする考え方がある.上記の点を考察するにあたって,遺伝性疾患における歯の異常やその多様性を考察することは意義深い.本稿では,さまざまな遺伝性疾患における歯の異常を概説し,複雑な歯の発生や形成の制御機構について考察する.
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