発行日 2016年5月20日
Published Date 2016/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016299276
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
60代男。10年ほど前から健診でアルコール性脂肪肝を指摘されていたが、節酒はしていなかった。今回、多量飲酒後に強い倦怠感と食欲不振が出現し受診した。血液検査でASTが302IU、ALTが371IU、γ-GTPが571IU、T-Bilが2.27mg/dlと肝障害を認め、精査加療目的に入院となった。諸検査の結果から、慢性的なアルコール性脂肪肝があったところに多量飲酒したことでアルコール性肝炎を発症したものと考えられた。倦怠感と食欲不振は入院後すみやかに改善したが、血液検査値は入院1週目の時点で、γ-GTPは改善しているものの、AST、ALT、T-Bilは入院時よりも悪化していた。同時期、各種抗体検査の結果が出揃い、IgA-E型肝炎ウイルス抗体陽性であることが判明した。入院後12週間の血液検査値の推移をみると、ALTは入院8日目まで急峻な上昇を示し、その後2~3週で改善していた。T-Bilは入院10日目に第1のピーク、17日目に第2のピークを示し、その後徐々に正常化していた。
Copyright © 2016, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.