わが国におけるAKI診療の現状と課題
AKIの疫学
加藤 明彦
1
1浜松医科大学医学部附属病院 血液浄化療法部
キーワード:
ICU
,
急性腎障害
,
発生率
,
アメリカ
,
イギリス
,
スペイン
,
日本
,
スコットランド地方
Keyword:
United Kingdom
,
Japan
,
Intensive Care Units
,
Spain
,
Scotland
,
United States
,
Incidence
,
Acute Kidney Injury
pp.1545-1551
発行日 2013年10月10日
Published Date 2013/10/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2014062637
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ここ10年間,AKI(acute kidney injury)患者は増え続けている.海外からの報告によると,一般人口において透析治療の不要なAKI患者は人口10万人当り200~500件/year,透析治療が必要なAKI患者の発症頻度は人口10万人当り20~30件/yearである.われわれの検討では,透析治療が必要なAKI患者は人口10万人当り13.3人であり,米国やスコットランドからの報告とほぼ同じであった.また,入院患者においては,AKIの罹患率は毎年10%ずつ増えており,とくに75歳以上の高齢者や男性においてAKIを発症しやすい.ICU入室患者では10~60%でAKIを合併しており,とくに敗血症患者で高率に合併している.AKI患者の生命予後は悪く,長期的には末期腎不全の危険因子である.さらに,AKI治療には高額な医療費がかかることなどより,いかに早くAKIを見つけ,AKIのステージの進行を抑制するかが重要な課題である.
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