増刊号 それぞれの創傷治癒
Ⅳ.四 肢 3.手指外傷における創傷治癒
荒田 順
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1滋賀医科大学医学部形成外科学講座
pp.S191-S195
発行日 2024年6月30日
Published Date 2024/6/30
DOI https://doi.org/10.18916/keisei.2024130043
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はじめに
手指は鋭敏な知覚と繊細な動作を有し,それらは日常生活において動作の制御およびコミュニケーションに非常に重要な役割を果たしている。外傷により機能障害が生じた場合,仕事や趣味,基本的な生活動作などにおいてその後の人生に大きな影響を及ぼす。また,醜状瘢痕や拘縮による変形が問題になるだけでなく,可動域悪化による所作の変化も整容面で問題となる。
手指創傷では主に皮膚,神経,腱,靭帯,骨の創傷治癒を考慮する必要がある。それぞれの創傷治癒については総論に譲り,本稿では個々の創傷治癒を考慮した手指外傷の診療における注意点を中心に述べる。
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