投稿論文 総説
小児における絶飲時間短縮の潮流
釜田 峰都
1
,
小原 崇一郎
1埼玉医科大学国際医療センター 麻酔科
キーワード:
胃内容排出
,
術前管理
,
超音波診断
,
水分摂取
,
全身麻酔
,
時間因子
,
精神鎮静法
,
気道内誤嚥
,
小児外科
Keyword:
Anesthesia, General
,
Gastric Emptying
,
Time Factors
,
Ultrasonography
,
Preoperative Care
,
Drinking
,
Respiratory Aspiration
pp.120-127
発行日 2022年2月10日
Published Date 2022/2/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2022108582
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近年、小児麻酔領域において術前の絶飲時間を1時間へと短縮する潮流がある。長時間にわたる術前の絶飲食は周術期合併症を増加させる。近年の研究では、絶飲時間の短縮により、誤嚥発生や手術キャンセルは増加することなく、患者や保護者の満足度が向上する可能性が示唆される。一方で、安全性や誤嚥の目安となる胃内容量については明らかではなく、現時点では絶飲時間が"1時間でもよい"のか"1時間がよい"のかを結論づけることはできない。小児領域でも術後回復強化プロトコルの効果は今後検討すべき課題である。絶飲時間短縮に関する新たな臨床研究に注目しつつ、わが国における術前絶飲食ガイドラインの再検討が期待される。
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