特集 経腟分娩vs帝王切開—分娩様式の選択と対応—
3.骨盤位
最上 晴太
1
,
近藤 英治
1
H. Mogami
1
,
E. Kondo
1
1京都大学医学部婦人科学産科学
pp.557-564
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001295
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骨盤位の分娩様式は,児への合併症の問題に常に悩まされ,これまで議論が続いている。本稿では,骨盤位の経腟分娩について文献的に概説する。この技術は産科医の先人たちによる多くの苦労と工夫により編み出されてきた。しかし骨盤位経腟分娩の技術は,そもそも体で覚え込むものであり,熟練した産科医のもとで研鑽することが欠かせない。骨盤位経腟分娩の症例が減少しているなかで,講習会などでの実技による系統的なトレーニングシステムの構築が望まれる。一方で,骨盤位の経腟分娩が危険あるいは不確実と予測される症例では,決して無理をせずにあらかじめ帝王切開を計画し,母児ともに安全な出産を迎えられることを切望する。
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