Japanese
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臨床研究
骨盤位の取扱いについて
On the treatment of breech presentation
松本 薫
Kaoru Matumoto
pp.359-362
発行日 1960年4月10日
Published Date 1960/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202180
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骨盤位に就いてとかく論議される所以のものは,その母体に対する影響に就いてはもとよりのことながら,分娩による児の死亡率の高いことに依るものと考えられる。従来の報告によれば児の死亡率は10%乃至40%の間にあるとされ,報告者によつて大幅な差異があることは注意しなければならない。即ちこの数字が,骨盤位分娩自体が児の生命に大きな危険をもたらすものであると同時に,分娩取扱者たる医師の技術の巧拙に影響されることの大きいことを裏書するものである。従つて死亡率に就いての集団的,修業時代的な教室からの統計は余り過信してはならない。各個人的の統計を基礎として,骨盤位妊娠乃至分娩取扱いに就いての確固たる方針を建てるべきであると思う。この意味で過去約4年間に於ける症例をあげて個人としての所信を述べるものである。
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