特集 一括アップデート! 子どものワクチン・予防接種
Ⅳ 定期接種・任意接種
10.B型肝炎ワクチン(HBワクチン)
須磨崎 亮
1,2
,
酒井 愛子
3
,
杉山 真也
3
1茨城県立こども病院
2国立国際医療研究センター 肝炎・免疫研究センター
3国立国際医療研究センター研究所感染病態研究部
pp.979-983
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003175
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近年の変更点・トピックス&今後の動向
☑定期接種:1歳前に3回の接種を終了する(図1).
☑キャッチアップ接種:2016年以前に出生した人の接種率は低い.HBワクチン未接種者にはキャッチアップ接種を勧奨する.
☑母子感染予防処置:妊婦がHBs抗原陽性の場合は,出生児に生後12時間以内を目安に抗HB人免疫グロブリンとHBワクチンを使用する.さらに2回のHBワクチン接種を行う.1歳頃にHBs抗原とHBs抗体価を測定して予防処置の効果を判定する(図1).
☑医療従事者への接種:0,4週,20~24週の1シリーズ3回のワクチン接種を行う.接種終了4~8週後にHBs抗体検査を行い10mIU/mL以上であれば免疫獲得である.それ未満の場合は,もう1シリーズ接種を行う.それでも10mIU/mLに達しなければ,不応者として針刺し事故時に厳重な対応を行う.
☑6種混合ワクチンの開発:5種混合ワクチンにHBワクチンを加えた6種混合ワクチンの開発により同時接種の負担軽減が期待される.
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