綜説
アレルギー疾患とMicrobiome
鈴木 悠貴
1
1東京女子医科大学小児科
pp.858-863
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003141
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小児における腸内細菌叢は出生後より刻々と変化している.出生直後は通性嫌気性菌が増加するが,以降乳児期早期にはBifidobacteriumが最優勢菌となる.制御性T細胞(Treg)は免疫担当細胞の機能を抑制することでアレルギー耐性に貢献するとされており,Bifidobacteriumは腸管においてTregの産生を誘導することが知られている.乳児期早期は胸腺が未熟であり,出生直後はGALTとよばれる消化管関連リンパ組織も未発達であるためBifidobacteriumの存在が重要である.近年の知見で,とくに生直後の腸内環境がその後のアレルギーの発症に関与することがわかってきた.
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