特集 コロナ禍去って今こそ必要なエンテロウイルスの知識
3.手足口病
相澤 悠太
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科小児科学分野
pp.16-21
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002905
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手足口病は,口腔粘膜,手掌,足底や足背などの四肢末端に水疱性発疹が出現する疾患である.5歳以下の乳幼児を中心に流行し,2歳以下が半数を占めるため,子どもの夏かぜの主な疾患として有名である.新型コロナウイルス感染症の流行に伴い患者数は激減したが,その後は再増加がみられている.コクサッキーウイルスA6が2009年以降国内でも出現し,手足口病の主要な原因ウイルスの1つに加わるに伴い,手足口病の臨床像の変化が起こっている.エンテロウイルスA71による手足口病の中枢神経症状合併や周産期における手足口病にも注意が必要であり,手足口病は単なる夏かぜに留まらない多様で奥深い疾患である.
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