道を知らざらん人

『五輪書』と言えば，剣聖・宮本武蔵（1645年，62歳没）の著わした兵法書である。オリンピックの水泳チームドクターを務めていた時，日本オリンピック委員会（JOC）から日本選手団の選手・役員に，武蔵の著作に因んだ『五輪書』が配られていた。とはいっても，剣術書ではなく，勝負，戦いに向けての心構えや日本代表の選手・役員としての留意事項，海外の大会場や選手村での生活，行動，健康管理などについての指南書であった。