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心アミロイドーシスは,疾患の重要性を決める3つの要素,すなわち疫学,治療,診断のいずれの観点からみても近年大変注目されている疾患である1)。原因不明あるいは治療抵抗性の心不全患者の中から見い出される患者数が近年急増しており,今後も確実に増加する。2019年,ATTR(トランスサイレチン型)心アミロイドーシスに対する初めての原因治療薬が日本で保険適用になり,その他の新薬の研究も活発である。さらに2020年に99mTc-ピロリン酸(pyrophosphate:PYP)を用いたATTR心アミロイドーシスの診断が日本で保険適用になり,簡便かつ高精度に診断できるようになった。これと比較して,Alzheimer型認知症はどうであろうか。同疾患は脳アミロイドーシスの一つであり,患者数が世界で急増している重要疾患である。根本的な治療薬であるアデュカヌマブが2021年にアメリカにて条件付きで承認されたものの,日本やヨーロッパでの承認は先送りされた。つまり,早期発見できたとしても,必ずしも根本的な治療に結びつかない。また,アミロイドPETによるAlzheimer型認知症の診断が期待されているが,まだ保険適用ではなく,早期発見が容易ではない。あらためて,心アミロイドーシスが疫学,治療,診断のいずれの観点からも重要な疾患であることがわかる。本稿では,心アミロイドーシスの概要および治療について説明してから,核医学検査の役割について考察する。
Cardiac amyloidosis(CA)is a hidden disease among heart failure patients and an increasingly recognized, progressive, and fatal cardiomyopathy. Because of the recent progression of life-prolonging drugs for CA, there is a major unmet need for the early detection and precise quantitative assessment of disease burden, prognosis, and treatment response. From these perspectives, nuclear medicine has been expected to play an important role. Recent studies have focused on three-dimensional quantitative evaluation of bone scintigraphy, amyloid PET, and artificial intelligence.
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