手術症例報告
腹腔鏡下に切除し得た後腹膜原発mucinous borderline tumorの1例
久岡 和彦
1
,
石 志紘
1
,
川口 義樹
1
,
浦上 秀次郎
1
,
村田 有也
2
,
磯部 陽
1
1国立病院機構 東京医療センター外科
2国立病院機構 東京医療センター臨床検査科
キーワード:
後腹膜原発粘液性囊胞腫瘍
,
粘液性囊胞腫瘍
,
原発性後腹膜腫瘍
Keyword:
後腹膜原発粘液性囊胞腫瘍
,
粘液性囊胞腫瘍
,
原発性後腹膜腫瘍
pp.911-917
発行日 2021年4月15日
Published Date 2021/4/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002218
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原発性後腹膜腫瘍の発生頻度は全腫瘍のうち0.2%とまれな疾患である1)。後腹膜腫瘍の多くは,奇形腫,嚢腫,神経鞘腫,肉腫などの非上皮性腫瘍であり,上皮性腫瘍である嚢胞性腫瘍はさらに頻度が低いとされている2)。無症状で進行し,腫瘍が巨大化した状態で発見されることが多い。後腹膜原発嚢胞性腫瘍はそのほとんどが良性とされているが,術前に良悪性を診断することは困難である。そのため悪性の可能性を考慮し,内容物の腹腔内流出を避けるため,腫瘍壁を損傷することなく摘出する必要がある。腹腔鏡下に切除され,病理組織診断でborderline tumorであった後腹膜原発粘液性嚢胞腫瘍は,自験例がわが国で初例となるため報告する。
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