特集 知っておきたい 眼科処置・手術の合併症対策と予防
Ⅵ 眼瞼・眼窩 1 霰粒腫に対する切開・掻爬
三戸 秀哲
1
1井出眼科病院(山形県)
pp.1081-1084
発行日 2023年10月5日
Published Date 2023/10/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003315
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霰粒腫(chalazion, chalazia)は一般眼科診療で最もよく遭遇する疾患のひとつである。“まぶたが腫れた”とか“まぶたにしこりができた”という訴えの症例はたいてい霰粒腫である。霰粒腫の成因であるが,マイボーム腺の導管が何らかの原因により閉塞することで生じた貯留嚢胞が始まりである。貯留した脂質に対する異物反応により生じた脂肪肉芽腫が,霰粒腫である。したがって,貯留嚢胞構造内に霰粒腫が形成されるが,しばしば脂質が眼瞼前葉へ滲み出し,眼瞼皮膚や眼輪筋にも炎症が生じ,肉芽腫も形成されるため,霰粒腫の外観は非常に多彩でバラエティに富む。また結膜側へ肉芽腫がキノコ状に出る場合もある(化膿性肉芽腫,pyogenic granuloma)。
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