特集 緑内障診療─この時どうする? ─
3 3か月前と比べて視野が悪化した:進行したのかどう判断する?
宇田川 さち子
1
,
大久保 真司
2
1金沢大学附属病院眼科
2おおくぼ眼科クリニック(金沢市)/金沢大学 医薬保健研究域医学系 眼科学
キーワード:
視野検査
,
検査の信頼性
,
アーチファクト
,
経過観察
Keyword:
視野検査
,
検査の信頼性
,
アーチファクト
,
経過観察
pp.321-327
発行日 2020年4月5日
Published Date 2020/4/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001614
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緑内障の診断・経過観察を行うためには,視神経乳頭,眼圧,視野を総合的に評価することが必要である。緑内障診療の最終的な目標は,不自由のない日常生活を送れる視機能を維持し,患者のquality of lifeを保つことである。そのため,視野進行の有無を評価することは治療方針の決定や変更を行うために非常に重要といえる。視野進行の判定方法には,主に臨床的な判断,トレンド解析,イベント解析などの方法がある。現在では,データ管理システムや視野・画像のファイリングシステムを用いて,外来診療中にも評価することが可能となっている。しかしながら,「視野検査」は心理物理学的検査であり,自覚的検査であるため,被検者の心理的・身体的なコンディションに大きく影響を受ける。特に「自動視野計」においては,「自動」という名前はついているものの,ボタンを押せば全自動で適正な検査が施行され,結果が得られるというわけではない。
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