特集 整形外科 外来診療における漢方薬
スポーツ障害に対する漢方治療
冨澤 英明
1
1東京蒲田病院整形外科
キーワード:
スポーツ障害(sports injury)
,
治打撲一方(jidabokuippo)
,
越婢加朮湯(eppikajutsuto)
,
麻杏薏甘湯(makyoyokukanto)
,
薏苡仁湯(yokuininto)
,
柴苓湯(saireito)
Keyword:
スポーツ障害(sports injury)
,
治打撲一方(jidabokuippo)
,
越婢加朮湯(eppikajutsuto)
,
麻杏薏甘湯(makyoyokukanto)
,
薏苡仁湯(yokuininto)
,
柴苓湯(saireito)
pp.286-290
発行日 2025年3月19日
Published Date 2025/3/19
DOI https://doi.org/10.18885/JJS.0000002088
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スポーツ整形外科におけるNSAIDsの抗炎症作用が懸念される。炎症の惹起を抑制する働きは,ステロイドと同様,かえって治癒を遅らせてしまう可能性を否定できない。一方,漢方薬は生体反応の正常化を促すように働く。局所の治癒を促しつつ,疼痛を緩和する作用がある。早期回復を望むアスリート(プロを除く)やスポーツ愛好家には受け入れはよい実感がある。漢方薬のコツは病名投与ではなく病態投与が基本であり,そして「効きそうな人を選ぶ」ことに尽きる。この使い分けは東洋医学的な所見でなく,整形外科医の診る所見で十分対応できるのではないかと考える。本稿では,整形外科医の視点でスポーツ損傷に応用できる漢方薬を解説し,疾患からのフローチャートで紹介する。
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