特集 インプラント周囲感染の対処法―人工関節・脊椎・骨折―
Ⅱ.各論
開放性骨折治療におけるインプラント周囲感染の予防法
石井 桂輔
1
,
黒住 健人
1
1帝京大学医学部附属病院外傷センター
キーワード:
開放骨折(open fractures)
,
手術部位感染(surgical site infection;SSI)
,
予防(prevention)
Keyword:
開放骨折(open fractures)
,
手術部位感染(surgical site infection;SSI)
,
予防(prevention)
pp.115-124
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.18885/JJS.0000000619
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開放性骨折治療におけるインプラント周囲感染の予防には,受傷早期からの抗菌薬全身投与,創の徹底的なデブリドマンと洗浄,骨折の早期固定,創の早期閉鎖が重要であり,二期的な創閉鎖までの待機期間は局所陰圧閉鎖療法(negative pressure wound therapy;NPWT)を適用する。開放骨折部の感染創から検出される菌は,わが国ではメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(methicillin-sensitive Staphylococcus aureus;MSSA)とメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus;MRSA)が多いが,緑膿菌などのグラム陰性桿菌もしばしばみられるので注意を要する。また近年,開放骨折部局所へのさまざまな高濃度抗菌薬投与法が報告され,その有用性が注目されている。
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