特集 一人の診察であわてないために!病状と検査結果から導き出す確定診断のコツ
救急外来(急性肺血栓塞栓症) risk-statify 急性肺血栓塞栓症診断後のリスク評価 どのPEが危険なのか?
大野 雅文
1
,
福田 旭伸
1聖路加国際病院 循環器内科
キーワード:
病院救急医療サービス
,
血栓塞栓症
,
抗凝固剤
,
肺塞栓症
,
リスク評価
,
外来診療
Keyword:
Ambulatory Care
,
Anticoagulants
,
Emergency Service, Hospital
,
Pulmonary Embolism
,
Thromboembolism
,
Risk Assessment
pp.116-119
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018029952
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急性肺血栓塞栓症(pulmonary embolism;PE)は主に深部静脈血栓症(deep vein thrombosis;DVT)を血栓源とし,遊離した血栓が肺動脈の閉塞を引き起こすことにより 発症する疾患である。急性期死亡率は約8%であり致死率の高い急性期疾患であるが,発症 時に心肺停止に至る重篤な症例がある一方で,無症状で偶然見つかる軽症例もあり,重症度 としては幅広いスペクトラムを有している。心肺停止やショックバイタルに陥ったPEの急 性期死亡率は各々約70%,約20%であり,救命のためには血栓溶解療法,外科的血栓除去 術,経皮的血栓除去術などの侵襲的な治療が早急に必要となる。しかしながら,これら血行 動態の破綻した重篤なPEは発症全体の5%程度とされ,残りの95%は血行動態の保たれた PEである。ここで血行動態が破綻したPEが危険なPEであることは明らかであるので,本 稿のテーマである“危険なPEの見極め”は,発症時に血行動態が保たれたPEに絞って述べた い。以下に1例を提示して危険なPEの見極めと急性期治療について考えてみたい。
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