特集 CT・MRI時代の単純X線写真:いつ撮る?どう読む?
胸部X線写真 肺炎、肺感染症
南部 敦史
1
1帝京大学医学部附属溝口病院 放射線科
キーワード:
ウイルス性疾患
,
気管支肺炎
,
気道感染
,
胸部X線診断
,
細菌感染症
,
肺炎
,
肺炎-マイコプラズマ性
,
結核-肺
,
肺疾患
,
Mycobacterium avium Complex Infection
,
肺炎-間質性
,
胸部CT
Keyword:
Bronchopneumonia
,
Bacterial Infections
,
Lung Diseases
,
Pneumonia
,
Respiratory Tract Infections
,
Pneumonia, Mycoplasma
,
Radiography, Thoracic
,
Mycobacterium avium-intracellulare Infection
,
Virus Diseases
,
Tuberculosis, Pulmonary
,
Lung Diseases, Interstitial
pp.15-25
発行日 2019年1月26日
Published Date 2019/1/26
DOI https://doi.org/10.18885/J01843.2019084900
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肺炎の画像診断においては、いまだ単純X線写真が中心的な役割を果たしている。しかし、一方では臨床現場では肺炎に対して安易にCTが行われている現実も存在する。若年者を対象とした最近の大規模調査では、わずかではあるがCTの放射線被ばくで発癌の危険性が増すことが報告されており1,2)、臨床医には患者の利益と損失を天秤にかけた厳密な適応判断を行うことが求められている。また、わが国の逼迫した医療経済情勢を鑑みるに、臨床医には今後、今まで以上に費用対効果を重視した医療が要求されることは間違いない。一方、肺炎にCTは使わないものという固定観念にとらわれて、いたずらに患者の病悩期間を延長させたり、肺癌や結核の診断が遅れるようなことがあってはならない。本稿では、そうした背景も踏まえ、まず単純X線写真、CTの肺炎診療における役割、適応について解説する。その後、肺炎の画像所見についても簡潔に述べる。
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